pkgtransコマンドでパッケージのフォーマット変換

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ここではpkgtransコマンドでパッケージのフォーマットを変換する方法を紹介する。

【検証環境】
# cat /etc/release
                         Solaris 10 3/05 s10_74L2a SPARC
           Copyright 2005 Sun Microsystems, Inc. All Rights Reserved.
                        Use is subject to license terms.
                            Assembled 22 January 2005

まず、パッケージのフォーマットにはディレクトリフォーマットとストリームフォーマットの２種類がある。
Sun提供のCD-ROMなどに入っているSUNW***などというパッケージはディレクトリフォーマットである。

例えば以下がディレクトリフォーマットのパッケージだ。

# ls -ld SUNWzsh
drwxr-xr-x   5 root     root         512 6月 15日 15:35 SUNWzsh
# ls -l SUNWzsh
合計 122
drwxr-xr-x   2 root     root         512 6月 15日 15:35 archive
drwxr-xr-x   2 root     root         512 6月 15日 15:35 install
-rw-r--r--   1 root     root         444 6月 15日 15:35 pkginfo
-rw-r--r--   1 root     root       58248 6月 15日 15:35 pkgmap
drwxr-xr-x   3 root     root         512 6月 15日 15:35 reloc

そんでもって、sunfreeware.com から入手できるパッケージは以下のようにストリームフォーマットになっている。

# gunzip john-1.6-sol9-sparc-local.gz
# file *
SUNWzsh:        ディレクトリ
john-1.6-sol9-sparc-local:      パッケージのデータストリーム

ディレクトリフォーマットとストリームフォーマットではpkgaddコマンドの構文が微妙に違うがローカルマシンにパッケージをインストールする分には大した違いはない。ただし、以下のようにパッケージをWebサーバーに持たせてHTTPアクセスでインストールする場合には、パッケージをストリームフォーマットにしておく必要がある。
（⇒カスタムJumpStartインストールでの指定方法はこちら）

# pkgadd -d http://instserv/pkg/john-1.6-sol9-sparc-local

というわけでパッケージの変換がしたい局面も出てくるわけだ。
そこでpkgtransコマンドの使い方の紹介する。

◆　ディレクトリフォーマット⇒ストリームフォーマット

# pkgtrans . SUNWzsh.pkg SUNWzsh
Transferring <SUNWzsh> package instance
# file SUNWzsh.pkg
SUNWzsh.pkg:    パッケージのデータストリーム

上記のように第１引数にパッケージディレクトリ( . )、第２引数にストリームフォーマットのパッケージ名(SUNWzsh.pkg)、第３引数にパッケージ名(SUNWzsh)を指定すると、ストリームフォーマットのパッケージを作成することができる。
なお、パッケージを複数指定すると、１つのストリームフォーマットのパッケージに複数のパッケージを組み込むこともできるので、まとめてパッケージを適用する場合に非常に便利だ。

◆　ストリームフォーマット⇒ディレクトリフォーマット

ストリームフォーマットのパッケージはテキスト形式なのでheadコマンドでファイルの先頭部分を読み取りパッケージ名を入手する。

# head -5 john-1.6-sol9-sparc-local
# PaCkAgE DaTaStReAm
SMCjohn 1 1680
# end of header
NAME=john
ARCH=sparc

そこで以下のようにpkgtransコマンドを実行する。

# pkgtrans john-1.6-sol9-sparc-local . SMCjohn
Transferring <SMCjohn> package instance
# file *
SMCjohn:        ディレクトリ
SUNWzsh:        ディレクトリ
SUNWzsh.pkg:    パッケージのデータストリーム
john-1.6-sol9-sparc-local:      パッケージのデータストリーム
# ls -l SMCjohn
合計 8
-rw-r--r--   1 10       staff        171 5月 5日 2003年 pkginfo
-rw-r--r--   1 10       staff       1309 5月 5日 2003年 pkgmap
drwxr-xr-x   4 10       staff        512 6月 15日 15:54 reloc

上記のように、第１引数にストリームフォーマットのパッケージファイル名(john-1.6-sol9-sparc-local)、第２引数にパッケージ格納ディレクトリ( . )、第３引数にディレクトリフォーマットのパッケージ名(SMCjohn)を指定することで逆変換も簡単に行える。