/etc/systemファイルとカーネルパラメータ
/etc/systemファイルは、Solarisのチューニングなどでさまざまなオプションとして設定ができる。デフォルトでは全てコメントされており、普通に使う分には特に変更させる必要はない。また、アプリケーションによってはインストール時に勝手に書き込むこともあり、その値等は変更しない方がよい。以下に設定できる項目をあげるが、これが全てではない。また、このファイルの記述で不正な情報が入ってるとき、Solarisがうまく起動できないことがある。その場合は、STOP+Nを押して起動するか、boot
-aオプションで起動して、ファイル内を訂正する。
変数 |
内容 |
bufhwm |
バッファーキャッシュメモリーの最大サイズ(キロバイト) |
ufs_ninode |
i ノードテーブルの最大サイズ |
nstrpush |
STREAMS プッシュの最大数 |
strmsgsz |
ユーザーが作成できるSTREAMS メッセージの最大サイズ |
strctlsz |
メッセージのctl 部分の最大サイズ |
strthresh |
STREAMS サブシステムが消費できる動的メモリーの最大量(バイト) |
sadcnt |
sad デバイスの数 |
max_nprocs |
プロセステーブル(デフォルト値:10 + 16 * maxusers) |
maxuprc |
ユーザーあたりのプロセス制御(デフォルト値:max_nprocs - 5) |
msginfo_msgmap |
メッセージマップ内のエントリ数 |
msginfo_msgmax |
最大メッセージサイズ |
msginfo_msgmnb |
キューの最大バイト数 |
msginfo_msgmni |
メッセージキュー識別子の数 |
msginfo_msgssz |
メッセージのセグメントサイズ(ワードサイズの倍数) |
msginfo_msgtql |
システムメッセージヘッダの数 |
msginfo_msgseg |
メッセージセグメントの数(32768 未満) |
ncsize |
ディレクトリ名ルックアップキャッシュ |
ndquot |
クォータテーブル(デフォルト値:(maxusers * NMOUNT)/4 + max_nprocs) |
seminfo_semmap |
セマフォマップ内のエントリ数 |
seminfo_semmni |
セマフォ識別子の数 |
seminfo_semmns |
システム内のセマフォ数 |
seminfo_semmnu |
取り消し機能を使うプロセスの数 |
seminfo_semmsl |
1 つのID に対する最大セマフォ数 |
seminfo_semopm |
1 つのセマフォコールに対する最大オペレーション数 |
seminfo_semume |
1 つのプロセスに対する取り消し構造体の最大数 |
seminfo_semvmx |
セマフォ最大値 |
seminfo_semaem |
終了時の調整で設定できる最大値 |
shminfo_shmmax |
共用メモリーセグメントの最大サイズ(set shmsys:shminfo_shmmax = 0xffffffff
または
set shmsys: shminfo_shmmax = 4292967295) |
shminfo_shmmin |
共用メモリーセグメントの最小サイズ |
shminfo_shmmni |
共用メモリー識別子の数 |
shminfo_shmseg |
1 プロセスあたりのセグメント数 |
lotsfree |
freemen がlotsfree より小さくなると、システムがプロセスからページの取り込みを開始します。 |
tune_t_fsflushr |
fsflush の実行速度(秒速) |
tune_t_minarmem |
デッドロックを回避するのに必要な最小の常駐(スワップできない) メモリー(ページ数) |
tune_t_minasmem |
デッドロックを回避するのに必要な最小のスワップ可能メモリー(ページ数) |
tune_t_flckrec |
アクティブfrlock の最大数 |
lwp_default_stksize |
lwps に対するカーネルスタックのサイズ。カーネルオーバーフローがない場合は、この値を調整してはいけません。lwp_default_stksize
はバイト数で指定し、PAGESIZE の倍数でなければなりません。 |
npty |
4.0 または4.1 疑似tty の合計数 |
pt_cnt |
5.7 疑似tty の合計数 |
priority_paging |
ファイルキャッシュの境界を設定して、ファイルシステム入出力でアプリケーションページングが発生しないようにします。 |
ufs_ninode |
i ノードキャッシュ(デフォルト値:max_nprocs + 16 + maxusers + 64) |
consistent_coloring |
CPU 外部キャッシュのヒット率を改善する方法を、0 (さまざまな仮想アドレスビットを使用)、1
(物理アドレスを仮想アドレスに設定する)、2 (bin ホッピング)、または6 (SBSD
ページカラーリングスキーマ) で指定します。 |
各値の参照方法
1.スーパーユーザになる(# su )
2.mdb -kコマンドを実行(# mdb -k) ・・・・・・・・・オンライン中に書き換える場合は-kwオプション
3.変数/Dと実行
4.mdbを終了させる($q)
[実行例]
bash-3.00# mdb -k
Loading modules: [ unix krtld
genunix specfs dtrace ufs ssd fcp fctl ip sctp usba random nca nfs ptm
crypto logindmux sppp sd md cpc fcip ipc lofs ]
> maxuprc/D
maxuprc:
maxuprc:
29995
> maxusers/D
maxusers:
maxusers:
2048
> $q
bash-3.00#
[中でもメジャーな設定オプション(日本語版)]
maxusers:最大2048までとし、システムで利用できるメモリのMB数に設定される。maxusersは、マニュアル操作で4096までチューニングできる。また、maxusersはシステムへのログオン数をも制限します。
max_nprocs:max_nprocs はシステム上に作成できるプロセスの最大数を指定します。システムプロセスとユーザープロセスを含みます。/etc/system に指定した任意の値が maxuprc の計算に使用されます。
maxuprc:maxuprc は 1 ユーザーが生成できるプロセスの最大数です。元々大きな値が設定されているため特に変更する必要はありません。
ncsize, ufs_ninode:ncsize及びufs_ninodeは、ディレクトリ名ルックアップキャッシュ(DNLC)及びUFSのinodeキャッシュで、それぞれのエントリ数を指定します。
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