今さらですがOpenSolarisのネットワーク接続に関して説明します。
OpenSolarisのインストールは初心者にもわかりやすいように必要最低限の情報だけ設定すれば済むようになっております。通常のSolarisのインストールではインストール時にIPアドレスを指定するかDHCPを利用するか、ネームサービスを使用するかなどいろいろ聞いてきますが、OpenSolarisでは一切聞いてきません。
とりあえず、何も設定しなくても起動時に自動的に無線LAN→有線LANのように検索してくれ、デフォルトでDHCPを利用してネットワークが構成されるので、ノートPCなどにOpenSolarisをインストールして家庭内で使用するには何も問題はないはずです。
ただし、複数のNICを持つシステムやルーター構成などにしたい場合には、このようなデフォルトの動作を少々いじりたくなることもしばしばあります。特にSolarisをバリバリ使ってきた管理者にはOpenSolarisでまずはじめに気になるのがこのネットワークまわりの設定だと思います。
OpenSolarisでは以下のように2種類のnetwork/physicalサービスが用意されています。デフォルトではsvc:/network/physical:nwamが有効になっています。このサービスからnwamd(Network Auto-Magicデーモン)が起動し、前述のような自動構成を実現してくれています。しかし、既存のSolarisにはないデーモンなので、昔からのSolarisユーザーはここでビビってしまうかもしれません。
root@opensolaris:~# svcs network/physical STATE STIME FMRI disabled 15:24:17 svc:/network/physical:default online 15:50:25 svc:/network/physical:nwam
サーバー機などで複雑なネットワーク構成を考えている場合や、今までのSolarisと同じ構成方法で設定したい場合はsvc:/network/physical:nwamサービスを無効にし、svc:/network/physical:defaultを有効にすることで対応できます。
単にDHCPから固定IPアドレスに変更したり、有線LANと無線LANの優先順位を変更したりしたいだけであれば、/etc/nwam/llpファイルを編集することで対応できます。
例えば無線LANインタフェースのないシステムで、デフォルトのDHCP設定を固定IPアドレスに変更するには以下のように修正します。
root@opensolaris:~# cat /etc/nwam/llp #e1000g0 dhcp e1000g0 static 192.168.1.20/24
また、ノートPCなどで有線LAN(iprb0)と無線LAN(iwi0)インタフェースがある場合は、/etc/nwam/llpファイルで上に記述されているエントリが優先されますので、必要に応じて入れ替えます。(デフォルトでは無線LANが優先されていました)
root@opensolaris:~# cat /etc/nwam/llp iwi0 dhcp iprb0 dhcp
ファイルを編集したら以下のようにnwamを再起動して反映させます。
root@opensolaris:~# svcadm restart nwam
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